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「怖がらないで。」
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突然の遭遇。
息をのむほどの至近距離。
噛み付かれそうな、引っ掻かれそうな、怖い顔。

でもそれは、怖れの裏返し。
敵か味方か、私を見極めようとしている瞳。

怖がらないで。
私は敵じゃないよ。
あなたを傷つけたりしないよ。
そんな顔で見られたら、
どうしたらいいか、わからない。


わからなくて、私まで怖くなって、
とりあえず、あなたから遠ざかり、
お互いが安心できる間合いまで距離をおいた。

これでいいかな。
これで安心して、あなたは笑ってくれるだろうか?

笑ってくれた後、
私を味方だとわかってくれるだろうか?

                【北海道・十勝岳連峰】











このきたきつねは、10月に出した「陽だまりの中で」のきつねと、多分同じきつねです。
全く同じ場所で、出逢いましたから。

ただし、今日出したのは、初対面の日。
氷雨どころか雪交じりの雨の中、森の中から突然彼女は現れました。
びっくりするほどの至近距離。
触れそうな、息遣いまで聞こえそうな距離に、動きがとれない2匹の獣。
(それでも、おっかなびっくりそっと写真を撮る獣1匹。^^;)

この日は、最後まで距離感とお互いの関係をうまくつかめないまま、別れました。
行動からして、観光客にえさをねだる「おねだりぎつね」だと思うのですが、
頑としてえさをくれない私を、どう扱おうか悩んでいたのでしょう。

で、翌日に、ご機嫌な天気の中で再び出会ったときの顔が、前出のものです。
この日は、怖い顔はされませんでした。
でも、えさをねだられることもありませんでした。
彼女は、穏やかな顔をして、私を見て微笑んでくれました。
人との付き合いも、動物との付き合いも、似たようなものなのかな。
そんなふうに思う、彼女との出逢いでした。

願わくば、心無い観光客が、これ以上彼女に食べ物を与えませんように。
それを祈るばかりです。

では、翌日の、私への警戒心なしなしのショットを二つほど。
「怖がらないで。」_a0054232_2381415.jpg

「怖がらないで。」_a0054232_2385432.jpg


いくらなんでも、ちょ~っと油断しすぎでない?
そりゃあこの日は、お昼寝したいほど暖かかったけどね。
by yu-yan63 | 2006-12-10 23:10 | 動物
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